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2006年11月26日 (日)

過労死促進法

『週刊金曜日』の11月24日号に載っていましたが、政府は「ホワイトカラー・エグゼンプション(労働時間規制の適用除外制度)」を導入するため、労働基準法「改正」を来年春の通常国会で成立させようとしています。一定の年収があればいくら働いても残業代がもらえないという酷い制度です。この制度に反対している棗一郎弁護士はこの制度を「過労死促進法」と言います。現状でも長時間労働と残業代の未払いが横行し、過労死が後を絶ちませんが、この制度が導入されれば、歯止めが効かなくなることは明白です。今まで裁判で長時間労働による過労死と認められていたことも、労働者の自己責任ということで片付けられ、経営者にはお咎めなしになるでしょう。

僕は自営業なので、制度導入でも影響はないと思いますが、ホワイトカラーの皆様にとっては、死活問題だと思います。それほど重要な問題にしては、世間はほとんど騒いでいないと思います。新聞等のマスコミが取り上げないことも、原因でしょう。マスコミはもっと庶民のために、問題点を明らかにして欲しいです。トヨタやキャノンなどの大企業がこの制度導入を後押ししているので、マスコミとしては取り上げにくいのでしょうが、そんな新聞は新聞ではありません。今や新聞は企業の宣伝媒体に成り下がっています。僕が『週刊金曜日』を購読するのは、このような問題を取り上げてくれるからです。

ホワイトカラーも企業の利益のために命まで奪われる時代になりつつあるといっても過言ではないと思います。この制度もアメリカの制度を真似たものだそうですが、とどまることを知らない企業利益優先の無法社会を、僕たちはいつまで許すのでしょう。今や一部のエリートのためにほとんどの国民が犠牲になる時代です。まずは来年の参議院選挙で自民党や公明党を落選させ流れを変えることが必要ですが、そのためには政府の国民無視の政治を国民に知らしめることが必要です。

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2006年11月23日 (木)

悲観することはない!

先日、ラジオで教育基本法改正案の参議院特別委員会での質疑を聴きました。質問者は自民党の枡添要一議員でした。枡添議員は日の丸・君が代の実施が不十分ということを訴え、国旗・国歌に敬意を表さない人間は国際社会で通用しないと声高に主張していました。海外経験が豊富な枡添議員に対して、一度も外国に行ったことのない私が言うのもなんですが、馬鹿なことを言うものだと思いました。日の丸・君が代に敬意を表せというのは、ドイツ人がナチスのハーケンクロイツ旗に敬意を表すのと同じだと思います。少なくとも2000万人もの命を奪われたアジアの人々の多くが、そのように感じるのではないでしょうか。国際人として通用するということは、自分の考えをしっかり持って、それを主張できる人だと思います。国から押し付けられて何の疑問も持たず日の丸・君が代に従う人間こそ、国際社会では通用しないでしょう。

先日、「憲法を守る会」主催の高田健氏と朴慶南氏の講演会を聴きに行きました。高田健氏によれば安倍政権の閣僚のうち16人が自民党でそのうち11人が日本会議のメンバーであり、首相補佐官もほとんどが日本会議のメンバーということでした。日本会議といえば政財界の超右翼の集まりであり、かつては自民党の中でも、異端者でした。ところがその異端者が今の政権の中枢を牛耳っています。麻生外相や中川政調会長の核保有発言は彼らの中では極当たり前の主張なのです。実際、安倍総理も2002年2月、早稲田大学での講演で「日本も小型であれば原子爆弾を保有することに何も問題ない」と発言をしています。今の安倍政権はタカの爪を国民から見えないように隠そうとしています。しかし、これだけタカが集まった政権がいつまでも爪を隠しとおせるはずがありません。しかし、日本全体が超タカ派政権に慣れてしまって、異議を唱える僕たちが浮き上がってしまう可能性も否定できません。ここはマスコミの踏ん張りを期待したいところですが、世論を喚起するような迫力はマスコミには感じられません。むしろ、自民党政権を支えてきたと思います。

先日の沖縄県知事選から学ぶことは平和の問題だけでは、国民は動かないということです。今の日本では生活実感からしか政治に目が向かないのだと思います。先日のアメリカの中間選挙でブッシュ共和党が敗れたのはイラク問題だといわれていますが、それよりも大きい要因は格差社会に対する反発です。慶応義塾大学の金子勝氏によれば、日本はアメリカの5年遅れで後追いしていると言います。だとすれば、5年後には日本人も自民党政権にNOを突きつけることになります。指導者もこれ以上格差が広がれば、国民の不満が爆発しかねないという危機感は持っています。そのために、共謀罪などの国民を取り締まる法律の制定を急いでいます。すでに最近の公権力の横暴は目に余るものがあります。状況は僕たちにとって非常に厳しいと思いますが、世界的にはアメリカや日本の新保守主義は孤立しています。高田健氏は国会前で教育基本法改悪に反対する集会に参加した人々が明るく希望を持って闘っていることを報告し、悲観することはないというメッセージを僕たちに伝えました。

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2006年11月20日 (月)

沖縄県知事選

沖縄県知事選挙は残念でした。米軍再編を阻止できるかもしれないという期待がしぼんでしまいました。しかし、沖縄の選挙も所詮長い歴史の一こまに過ぎません。一気に世の中が変わるなんてあり得ません。世界史的には劇的に世の中が変わることも過去にはあったと思いますが、その変化は長い時間と人々の闘いがあったから生まれたと思います。

日本も敗戦という厳しい試練を経て、ファシズムから民主主義の社会に変わりました。しかし、大局的にはその変化は敗戦に伴う外圧によってもたらされたものであり、国民自らが目覚め勝ち取ったものではありません。日本は民衆の戦いによって、支配層を打ち倒した歴史はありません。権力に対して従順な国民性といわざるを得ないと思います。僕は革命を望んでいるわけではありません。今の日本で力による革命など必要ありません。民主的な選挙という手段で政権交代を実現することができます。

今の日本社会は格差社会が広がり、一部のエリートがほとんどの富を独占しています。途上国に比べればまだまだ国民の生活レベルは高いのですが、多くの貧困層が生まれ、若者たちは仕事もなく将来の希望を失っています。いじめや自殺は、表面に現れた現象です。根本的な解決のためには、今の格差社会を変える以外にないと思います。もし、国民が少し世の中のことを自分の頭で考えれば、社会は変わります。

僕は今回の沖縄の知事選にがっかりしていますが、諦めたわけではありません。僕の生きている時代が悪くても、子どもや孫の時代にはもっと良い時代が来ることを信じています。僕たちの時代は、戦前やさらに遡って封建時代に比べればはるかに良い時代です。社会が行きつ戻りつしながらも、確実に進歩しているのは間違いないと思います。そして、その進歩を推し進めてきたのは、闘う庶民だったと思います。僕たちが生きている間にユートピアが実現するわけではありません。僕たちのささやかな闘いは次の世代への橋渡しだと思います。

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2006年11月16日 (木)

許せない教育基本法改正案採決

教育基本法改正案が衆議院で可決されました。安倍政権発足後、歴史認識や外交で軌道修正したと評価する声がありましたが、今回の教育基本法改正の強行で超タカ派の実態をさらけ出しました。今回の「改正」は個人の尊重から国家のための個人に180度の転換になります。もし、教育基本法が政府案で決まれば、教育現場は大きく変わるでしょう。今でも、教育現場が権力による不当な圧力でゆがめられていますが、もっともっと露骨に愛国心が押し付けられるでしょう。今回の改正案は明らかに憲法の理念に反しています。もともと、教育基本法も憲法と同じように権力による教育への不当な介入を制限していました。しかし、今回の政府案は個人が国家に服従することを求めています。

皆さん、こんな酷い改正案を許せますか。安倍総理は僕たち庶民を権力者に奉仕する奴隷ぐらいにしか考えていないと思います。強い憤りを押さえることができません。まだまだ諦めません。たとえ、政府案が成立しても、草の根の運動を続ける決意を新たにしました。国家の奴隷になりたくない皆様、諦めずに闘い続けましょう。

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2006年11月11日 (土)

教育基本法改悪反対の声を上げよう

 教育基本法改悪が目前です。郵政民営化選挙で自民党が圧勝しましたが、自民党に投票した有権者のどれだけの人が、教育基本法や憲法について判断材料にしたでしょう。おそらく、ほとんどの有権者は気にも留めなかったと思います。マスコミの大騒ぎに載せられて、流行に乗り遅れるなという雰囲気に流された有権者が多かったと思います。その結果、郵政民営化よりはるかに重大な問題が多数派の与党によって今決められようとしています。タウンミーティングの「やらせ」は政府が謝ればすむ問題ではありません。先の戦争もイラク戦争も国が国民を欺いて(馬鹿にして)起きました。僕たち国民は馬鹿にされていることに、そろそろ気付くべきです。安倍総理は本音をしゃべらず、歴史認識も誤魔化していますが教育基本法改悪を強行し、憲法を任期内に「改正」するつもりです。

僕たちにできることは、一人一人の声を政府に届けることです。タウンミーティングの「やらせ」に憤りを感じ、教育基本法改悪に反対の皆様、下記の電話やFAXに皆様の声を届けましょう。

内閣府 内閣官房長官  塩崎泰久様 

TEL 03-5253-2111  FAX 03-3508-3619

文部科学省  伊吹文明様

TEL 03-5253-4111  FAX 03-3502-5382      

 

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2006年11月 9日 (木)

卵の話

しばらく休んでいました。久しぶりにブログを開けると、「ももちゃん」から「卵の見分け方」についてコメントが来ていましたので、答えます。「卵の見分け方」で黄身の色はよい卵の判断基準にはならないと書きました。それに対して有精卵を食べているが、黄身の色が白い(クリーム色)卵があるがなぜか、ということと有精卵は体によいのかという質問がありました。

僕の場合も黄身の色が極端に薄い卵が時々できます。まず、その理由として飼い方と餌に理由があると思います。まず飼い方ですが、今の卵の99%以上はケージ飼いです。ケージ飼いでは一羽づつケージ(籠)に入っていますから、餌に関しては平等に食べることができます。僕のように平飼いの場合、10坪くらいの広さの鶏舎に7~80羽くらいが一緒に飼われています。その集団の中には強い鶏や弱い鶏がいます。鶏は結構いじめが酷く、弱い鶏は集団でいじめに会います。そのような弱い鶏は餌を食べるのも大変です。皆が食べ終わったあと、隙を見て必死で餌をたべます。すでに、おいしいトウモロコシや緑餌は食べつくされ、残り物の米ぬかしか残っていません。米ぬかは色素が少ないので、黄身も白っぽくなります。したがって、黄身の色は卵の善し悪しの判断基準とはならないといっても、同じ鶏舎内で色が薄い卵は栄養価や味が落ちると思います。

それから、緑餌をたくさん与えると黄身の色がよくなります。しかし、季節によっては緑餌が不足する時期があります。そんな時は全体的に黄身の色がうすくなります。もちろん、緑餌をたくさん与えた方が鶏は健康になり味もよくなります。しかし、自然のサイクルにあわせた飼い方をすれば、どうしても季節によって餌に差異がでてきます。それに対し、ケージ飼いの場合、緑餌は与えず同じ配合飼料を与えていますので、一年中黄身の色は変わりません。

有精卵は体によいのかという質問ですが、栄養価は変わらないといわれています。生命力がある卵だから体によいという人もいます。人は動物や植物の命をいただいて生きています。したがって生命力の強い食べ物を食べることは体によいといえると思います。さらに有精卵ということは、平飼いであるという証拠です。ケージ飼いの卵より平飼いの卵のほうがよいという理由はいろいろとあると思いますが、簡単に言えば平飼いの鶏は自由に地面を走り回り喧嘩もするし、生き物として飼われているということです。ケージ飼いは身動きもできない狭いケージでただ餌を食べ、卵を産む機械のように飼われています。そのような鶏が健康だとは思えません。結局、鶏が心身ともに健康かどうかが、卵に影響すると思います。

以上独断ですが、18年間鶏飼いをした経験からの感想です。

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2006年11月 2日 (木)

必修科目未履修

高校の必修科目未履修が全国的に行われていたことが明らかになりました。大分でも、主に進学校が未履修だったようです。この問題を学校が悪いと片付けるのは簡単ですが、その原因は根が深いと思います。いわゆる進学校の多くが未履修だったことは単なる偶然ではありません。次男が県立高校に入学して、夏休み前だったと記憶していますが家庭訪問がありました。高校で家庭訪問なんて、僕の時代には考えられませんでした。まあ、それは時代が変わったのだから仕方ないのですが、家庭訪問に来た先生が成績のことばかり話していたのには驚きました。親が教育や子どもについてどんな考えを持っているのか、教師はどのような教育感を持っているのかなど話し合うべき問題は山ほどあるのに、成績が下がったうんぬんの話で終わってしまいました。今の高校は大学受験の予備校化していると思います。しかも、予備校化して有名大学の合格率の高い高校ほど社会的評価が高いようです。さらに安倍政権が目指している学校評価制度はますます予備校化を促進するでしょう。高校が予備校化していることは学校教育の問題だけではありません。格差社会が進行して、エリートと非エリートの格差が広まっていることが教育をゆがめています。

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