教育基本法を改悪する目的
子どもたちのいじめによると思われる自殺が続発しています。悲しいことです。小学生や中学生が自殺する社会なんて容認できません。しかし、その原因を取り除くことは容易ではありません。いじめは悪いことだと子どもたちにどんなに言い聞かせても簡単に問題が解決するとは思えません。いじめは以前から問題になり、子どもたちもいじめは悪いことだという言葉は何度も聞いているはずです。それでもいじめが無くならないのは大人社会に問題があるからです。子どもたちは親や教師を通して大人社会を観ています。今の社会は弱肉強食のいじめ社会です。その証拠に年間3万人もの国民が自殺しています。
おそらく安倍首相は責任を教育に転嫁し、教育基本法「改正」を正当化するでしょう。しかし、問題は格差社会の進行にあると思います。子どもたちにとって厳しい格差社会の現実は、大きなストレスとなっています。今の社会の問題は憲法や教育基本法の精神を無視して、人権や思想の自由を制限する方向に社会が進んでいることです。
今、教育基本法の「改正」が国会で審議されています。朝日新聞のアンケートでも教育基本法改正に賛成の世論は過半数を超えているようですが、国民の何割が教育基本法の条文を読んだことがあるのでしょうか。僕も教育基本法が話題になって、初めて条文を読みましたが、改正の必要性などまったくないと思いました。それどころか、その理念に感動しました。こんなすばらしい教育基本法が守られていないことこそ問題だと思いました。アンケート調査では今国会にこだわらずじっくり議論すべきという意見が7割を超えていたと思います。与党は十分議論したから今国会で決めると言いますが、国民はその内容をまだ十分理解していません。
教育基本法の与党案は明らかに国家への忠誠心を求めています。最終的には憲法を改正して戦争のできる国を目指しています。しかし、個人の権利や思想の自由を謳った今の教育基本法の下での教育では、喜んで戦場に行く国民をつくることはできません。
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